京極堂を2倍楽しむ方法その6
今までの話をここで少しまとめてみたい。
旧国名が豆州と呼ばれた伊豆は、静岡県に属している。静岡が閑陵{しずおか}からきていると考えるのは荒唐無稽だろうか?
京極堂を2倍楽しむ方法シリーズを始めたときから、へびと村の封という物の怪は、聖書の命の木ではないかと推理してきた。そして、今回は、桃樓じいさんシリーズの非時の香の木の実との接点を考えてみたい。
「非時」をトキジクと読むのは解らない。「時にアラズ」か「時をワケタ」か? 「香」はカグと読むので、かぐや姫や、大和の香具山や、香具師を連想する。
いまいちど「田道間守」を破字法で解釈すると、「田」=三柱三段で命の木、「道」=中国の道教のタオ(道)、「間守」={mon+日+守}=唯一の日を護る・・・となる、が、辞書では「但馬(たじま)国の国守(くにもり)の意」となっている。
田道間守の系図は桃樓じいさんの大ボラ その3 奥義書の行方から、
田道間守の子孫は後に三宅を名乗っている。おそらく屯倉からきた名だと思われるが・・・
屯倉(みやけ)大和朝廷の直轄領。御宅・三宅・屯宅・官家とも。本来は朝廷直轄農場の事務所・倉庫群の意。転じてその農場,また周囲の課税地区,耕作民をさす。朝鮮では占領地の行政・軍事の官衙(かんが)をさした。天皇の名において設定され,大和朝廷の経済的基盤となったが,大化改新で少数の屯田(みた)を残して他は廃止
しかし、この三宅が三(み)別(わけ)、からきているとしたらばどうだろう? そしてその「わけ」が非へとつながっていたら・・・たわけ者と言う言葉も・・・
ここが推測なのだが、「田道間守は天の日矛から5代目で、3人兄弟の長男」、この3人兄弟がそれぞれ独立して三つに別れた。一つは三宅を名のったが、あとの二人はどうしたろうか?
そこで、地域は日本海側と瀬戸内海側でまったく反対になるが、備前の和気氏の祖、藤野別(ふじのわけ)と磐梨別(いわなすわけ)に注目すると、どちらも「わけ」が入っているのだから、分家に対する本家があったろうと考えられないだろうか?
あくまでも、仮説の域は脱しないが、田道間守と備前をつなぐ糸は、名前の因縁を想像するしかなさそうである。備前から万代(もず)常閑という僧が、富山へ行って命の木を伝えたと言う線ははずせない。そして備前と但馬(田道間)を結ぶ線は名前だけである。また、伊豆の三宅島に流された三宅麻呂の筋かどうかは解らないが、「和気」を含む名を持つ神を祀る神社が諸島にあると言う事実は、やはり三宅と和気の因縁を感じるのである。
佐伯氏、大伴氏は備前に地名として残っていることや、その名の意味するところをくみ取れば、和気氏から分家したものと思われる。万代常閑という僧と、この三家との関係も不明だが、命の木そのものでなくとも、その奥義書の一部は、この三家にあったのではなかろうか? この和気氏の子孫も医の道へ進んでいるのだから。備前という国は実に学者が多い。
あくまでも私見だが、佐伯という名は、作り酒屋に見られるところから、製薬技術や発酵技術のような気もする。つまり、命の木の奥義書とは化学の書とも想像できるのだ。そして、作り酒屋では松尾様を祀る。
松尾大社京都市西京区嵐山宮町に鎮座。旧官幣大社。大山咋(おおやまくい)命・中津島(なかつしま)姫命をまつる。702年秦氏により社殿が造られたと伝える。酒造の神として広く信仰される。日本の神像では最古に属する古神像などがある。
但馬から分家した藤野別と磐梨別は備前へ行って、和気氏の祖となり、和気氏の分家から佐伯氏、大伴氏が出たとすると、前回までの話に一本の道筋ができる。それぞれの出身地も、備前を中心にしている。
だが、但馬と備前を無理して関連づける必要は無いのかも知れない。備前の和気氏の祖も渡来人だった場合、独自の製薬技術(命の木)を持って来たとも考えられる。
以下は「アブナイネタを教えて下さい」掲示板で見つけたものです。
『石笛』第6号から連載が開始された、八神邦建氏による『白き王家の道』は、失われた伯家神道(天皇家の神道)の本質を抉り、なおかつすべての日本人に「生き方」を説く『必読の企画』だと確信する。
伯家神道(天皇家の神道)というものを初めて知りました。そうすると、以前、「佐伯」=「兄をたすける」としたのは、「天皇をたすける」と言う意味になりますね。
さて、これで命の木に関わる氏族がだいぶ登場してきました。
- たじま、田道間、但馬、田島、田嶋 田道間守
- みやけ、三宅、屯倉、宮宅 田道間守の子孫
- ふじの、藤野、富士野 田道間守の分家か?和気氏の祖
- いわなす、磐梨 田道間守の分家か?和気氏の祖
- わけ、和気、和家 藤野別と磐梨別の子孫
- なからい、半井 和家氏の子孫
- さえき、佐伯 和気氏の分家か?
- おおとも、大伴、大友 和気氏の分家か?
- まつい、松井 富山の薬売り
- はぶ、羽生、垣生 豆南諸島に祀られる神の名
武内宿弥の子孫も見逃せません。
- はた、波多、秦、畑
- こせ、許勢、小瀬、古瀬
- そが、蘇我
- へぐり、平群
神仏では薬師如来も関係してきそうです。小説の中で漢方薬の守護神とされる白沢(はくたく)と言う神獣も調べたいですね。あと、小説とは関係ないと思うのですが、飛騨高山の飛騨は「斐蛇」と書いていたそうです。甲斐の国も「非」が入っています。
おまけ
伏見稲荷大社京都市伏見区稲荷に鎮座。たんに稲荷大社とも。旧官幣大社。祭神は諸説あるが,社伝によれば倉稲魂(うかのみたま)神,猿田彦命,大宮女(おおみやのめ)命の3神に,摂社の田中大神,四大(しのおお)神の2神を加え,稲荷五所,稲荷五社大明神と称する。創建は和銅4年(711年)2月初午(はつうま)の日とする。秦(はた)氏の氏神として,代々秦氏が奉仕。朝廷は賀茂・松尾・稲荷の3社を京都付近の信仰の中心とした。鎌倉時代には衣食住の神として一般に信仰され,近世には殖産興業の神として,全国に分祀・末社がつくられた。稲荷信仰の中心。例祭4月第2の午の日〜5月初卯の日まで21日間。2月初午の日には福参りがある。
「塗仏の宴 宴の支度」の完結編「宴の始末」が9月に出るようです。
楽しみですね。 Violet monkey
つづく・・・